第7代会長 佐藤みさお 2024年4月発行 会報誌67号より
3年にわたる行動制限も終わり、コロナ禍以前の日常がようやく戻ってきました。会員の皆様、ご健勝のことと拝察いたします。
精華会では、1期2年にて役員が改選されておりますが、昨年6月の総会において、私こと会長2期目の承認を受けしました。
副会長、役員の方々にも引き続き役をお受けいただき感謝いたしております。
そして、新しく副会長に河津博子さん(新27)常任幹事に満生美保子さん(新32)、昨年度まで副会長として、ご尽力いただいた三谷久美子さん(新35)はご勇退され、参与に就任されました。役員委員の方々と共に皆様のご意見をいただきながら、精華会、母校の発展に精進いたしたいと存じます。
さて、福岡の男子高校が来年度より共学になるそうです。共学校ばかりになってしまい、広い意味での多様性が失われるように感じます。
10年前の会報誌筑紫57号に、熊谷顧問の会長挨拶文にて「女子校力」には、「女子校力」杉浦由美子著、「女子校育ち」辛酸なめ子著より引用された文章が掲載されておりました。少し抜粋させていただきます。
「当時女子高は全体の6.6%であり(今はもっと少ないかも)女子高出身者はマイノリティといえる。
しかし多くの人達が『女子高』という言葉に反応するのは、女子高出身者たちに強い存在感があるからだろう。良妻賢母のお嬢様校からキャリア校へ。この流れになってきている。女子高出身者は独特のプライドを持っているのも事実だ。その誇りはかつての『お嬢様ステイタス』ではない『生きていくための力』を女子高で得たようだ」
「一般的に女子校に大奥的なイメージを抱いている人が多いようだが、実際にはその逆で、力仕事でも何でもするので、タフになる傾向があるようだ」
筑紫女学園に関わるすべての人々が女子高力を大いに発揮すべく、プレミア女子校を目指すのも、いいのではないかと思われます。
最後になりましたが、本年の精華会総会は6月2日(日)天神「ソラリア西鉄ホテル福岡」にて開催いたします。人数制限も解除されましたので、多くの皆様のご出席をお待ちしております。
【「続・古くて新しい学校」を目指して】 精華会名誉会長 松尾 圭子(筑紫女学園中学校・高等学校 校長)2024年4月発行 会報誌67号より
精華会会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。佐藤みさお会長には、日頃から深い慈しみをもって母校を見守っていただくとともに、在校生への奨学金の支援をはじめ、本校教育活動へのご理解・ご協力を賜り心から感謝申し上げます。また、本年度前期に生徒たちが研修で訪れた九州大学、九州工業大学、九州歯科大学等、行く先々で筑女の卒業生が元気に活躍されている様子を拝見し、非常に心強く嬉しくなりました。
ようやく行動制限のない日常が戻り、今年度は入学式や体育祭も保護者の出席のもと実施することができました。久し振りに生徒たちの大きな声が校舎に響き渡り、若者のエネルギーの躍動が感じられるようになりました。しかし、文科省が10月に小中学校における不登校者数が過去最多と公表したように、生徒たちの様子を見ていると、コロナ禍の影響は学習面だけではなく、心身にも重大な影響を及ぼしていると感じます。
さて、今後5年間の学園の教育活動計画を示した「筑女プラン2028」の中に「グローバル教育の推進」が掲げられています。人口減少が加速する日本においては、外国人と共に学び、仕事をするのは珍しくない社会が訪れようとしています。今後、本校は外国人を積極的に受け入れ、生徒たちが日常的に外国人と共に学ぶ環境を作り出し、互いの多様性を尊重しながらよりよい社会を創り出す術を学ぶことができる環境を提供していきたいと考えています。今年度は高校にはドイツからの留学生が、中学には上海、ベトナムからの生徒が入学しました。また今年、日本とベトナムは外交関係樹立50周年を、そして福岡県とハノイ市は友好提携15年周年を迎えます。この節目に中学3年生が初めてベトナムの首都ハノイ市に研修に行き、現地トップ校との交流会や企業訪問を行うとともに、世界遺産ハロン湾等を訪れます。きっと多くの刺激を受け、この体験を今後の生き方に役立ててくれることを期待しています。
結びに、創設者である水月哲英先生の思いを大切に、筑紫女学園は世界で通用する女性を育成する学校、そして社会を変革できる女性を輩出する学校でありたいと考えています。今後とも、歴史と伝統を重んじつつ、新しいものへ挑戦する勇気を忘れることなく、学校でしか体験できない感動を提供できるよう努力して参りますので精華会の皆様方の益々のご支援をよろしくお願いいたします。